叢書「生涯学習」(雄松堂)に向けての歩み(ノート)5

9月5日
 学会の大会に向けた理論研究部会に出席した。
 現代(当時として)の学習内容がテーマになっていたが、学習内容の「系統化」、「組織化」に関する発言が多く、山田は「それは内容ではなく、方法ではないか」と問いかけた。
 そして、systemからnetworkingへという状況に応じたlearning webはnonformalやinformalなeducationとして注目すべきであるなどの発言が出された。山田は、覚えたばかりのsporadic(稀に、不規則に、間欠的に起きる)学習機会を逃さずに捉えて、それがなくならないうちにintensive(集中的徹底的に)実践することが重要と発言したが、「それも内容ではなく、方法ではないか」と指摘された。
 反省したが、ゼミで碓井教授が“教育内容と教育方法は密接に関連している。民主主義を非民主的に教え込んでも、民主主義という言葉は覚えるが、民主主義は身につかない”と教えたことを思いだし、学習の内容と方法は密接に相関していると述べた。しかし、後に続く発言はなかった。
 9月12日、早稲田大学で開催された大会での「現代学習内容論」をテーマにしたシンポジウムでコメンテーターとして発言した。その中で、学習について内容だけでなく、方法との関連も射程に入れて統合的な研究に進むべきだという提起を込めた。
 翌13日、自由研究では「労働者の学習と自律的作業集団」について発表した。
 社会教育学会の会員向けの表現にしたが、根底には日本産業訓練協会などとともに進めている企業内教育と自律的作業集団の学習に即して、学習内容は企業の業種、部門、職階によって様々だが、生産力を構成する各人の労働能力、及び社会の構成のための自主管理や自治の能力では共通性があるという考えを位置づけていた。マルクス主義的にいえば前者か土台・下部構造、後者は上部構造に相応した。そして、方法は『TQCにおける問題解決法』(日科技連問題解決研究部会編、日科技連出版社、1985年)から「QC七つ道具」(特性要因図、パレート図、チェックシート、ヒストグラム、散布図、管理図、グラフ)、「新QC七つ道具」(連関図法、親和図法、マトリックス図法、系統図法、マトリックス・データ解析法、PDPC法、アローダイヤグラム法)を紹介し、また内容は具体的な職場での技能・技術を取りあげ、その関連性を説明した。
 しかし、その後、私は理論研究部会の担当幹事ではなくなった。
 三年後に日本社会教育学会編として出版されたのは『現代成人学習内容論』(東洋館出版社、1989年)で、書名は内容だけであった(本文中の方法の位置づけに関しては各人の判断を尊重する)。同時期、1989年10月の日本社会教育学会研究大会(神奈川大学)において、山田は「成人学習の認識論」というテーマで報告したが、そこには内容と方法の統合を内包させていた。

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