南隆「元警察庁幹部が見た『天安門事件の夜』」を笠原直樹「防衛駐在官メモ」と組み合わせて読む

1.
南隆「元警察庁幹部が見た『天安門事件の夜』」が『文藝春秋』2021年8月号に掲載されている。
 当時の状況は前掲「防衛駐在官メモ」(「時事通信」2019/5/29(水) 7:07配信)と重なり合う。両者を組み合わせると、より深い認識が得られる。
 そして、南は以下のように分析を進める。
「天安門事件に酷似する香港鎮圧」
「上海総領事館員自殺事件」
「現実を見ない日本の官僚文化」
「『秘密保護』より『情報公開』を」
 最後に、「中国共産党は外圧では決して屈しないが、ネットで倒れるかもしれない」という中国人の発言を引き、「日本政府はそろそろ硬直した思考体系から脱却すべきではないか」と提起した。
2.
 情報による崩壊に関してみると、かつて、東欧ソ連の社会主義体制の崩壊は、「ベルリンの壁」や「鉄のカーテン」に象徴される鎖国を、衛星放送で乗り越え、西側諸国の自由や豊かさが、東側の市民が知ったことが要因の一つだったことが想い出される。
 無論、硬直した一党独裁の生産力が革新・改革を続ける自由主義資本主義の生産力に敗北したこともある(正にマルクス主義経済学の皮肉な例証)。
 つまり、土台・下部構造の生産力でも、上部構造の情報システムでも、社会主義一党独裁体制は立ち遅れていたのである。
 これを教訓とした中国共産党は「改革開放」で生産力を増強し、上部構造はグレートファイヤーウォールなどで厳重な情報統制を敷いている。しかし、それが持続可能か?
 その経済は開発独裁であり、民衆は窮乏化している。つまり搾取されるだけで、いつかは富が枯渇する。
 即ち、持続は不可能である。
 故に、富の枯渇による上部構造のグレートファイヤーウォールに穴があくことで、ベルリンの壁の崩壊が再現されることが想定されるが、私は楽観しない。
3.
 何故なら、科挙以来、鍛えに鍛えた奴隷化、家畜化の「教育」で多くの中国人が国外の情報を拒否しているからである。これに拍車をかけているのが唯我独尊的な「中華」民族主義である。正に「内弁慶」の中国版である。
 要するに、救いがない。
 崩壊後、やたらにうぬぼれが強く、実は徹底的に服従に慣れて依存心の強い類いが難民になれば、どうなるか?!
 前々から提起しているが「廃炉方式」で、毒素は絶対に外に漏らさないことである。


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