ユーゴスラヴィア留学後の研究ノート22

10月26日
 海外技術者研修協会 (AOTS、2017年から海外産業人材育成協会) を訪問した。目的は二つあった。
①日産訓の調査で事業の国際化が幾つも出てきたので、その全般的な状況を知る。
②ベオグラードで親しくなったセレが日本で働きたいと連絡してきたので、その可能性や方法を相談する。
 事前に連絡していて、S氏とI氏の二人が対応してくれた。①に関しては以下のようである。
 業務で自然に海外の状況を知ることになるが、それだけではいけないので、年に四回、四チームで、各国の実態調査を行っている。
 東南アジア、特にマレーシアでは「ルック・イースト政策」があり、それに対応している。全電通が中心になって批判しているので、注意を払っている。
附註:
 全電通(全国電気通信労働組合)は1981年に、連合の前身となる全民労協へ参加し、これに反対した組合員が電通労組やN関労(いずれも全労協に加盟)を結成して離脱した。その後、民活、電気通信産業の再編、NTT(日本電信電話株式会社)の発足に伴い、1998年にNTT労働組合が結成された。
 南米のブラジルなどから、例えば、三菱重工、石川島播磨重工業(2007年よりIHI)の協力でボイラーの技術の研修を行った。
 技術的にはよくて、できた製品は文句ない。つまり、技術を学ぶために日本に来るのではない。工程の管理から納期までの厳密さなどを学ぶ。特に「ヒンカン(品質管理)」が大切である。
 (QCサークルですかという質問に)それも一つの方法だろうが、要するに、仕事への厳密な姿勢だ。納期が守られないと多方面に影響が出る。不良品が混ざってもそうだ。つまり、信頼性だ。自分の仕事がいろいろなところに繋がっていて、それを安易に、いい加減とまでは思わないが、考えないようにすることだ。つまり、周りに迷惑をかけないように、自分の持ち場できちんと責任を果たすという自覚だ。納期は一例で、時間を守る、約束を守るという当たり前のことを徹底することだ。
 「水」について、技術をとりまく環境として質が違うから、日本の技術がなかなか応用できない。その環境は自然も文化も含む。例えば、エジプトでは運河や造船について、設計は日本と職分が違う。向こうはホワイトカラーのデスクワークで、現場との関係のプロセスを説明すると、「関係ない」という。日本の「設計屋」とは違う。
 建築では、インテリア・デザイナーもまず顧客と話さない(これはエジプトに限らない)。やはり「関係ない」という。
 技術の入り方が、欧米から直接で、そのまま使っている。
 転職は当たり前で、韓国もそうだ。
 だから、教育投資がうまくいかず、人材が育たない。
 日本がむしろ特殊だと言える。
 その中で、成功している例を挙げれば、味の素の研修生は特徴的だ。○○国人というより、味の素の人という感じだ。管理と育成が徹底されている。
 (軍隊式に鍛えられたようですかという質問に)そうだ。
 現地を理解することと「宥和」することは違う。日本的経営を貫くことが重要である。
②について、具体的に聞いて、セレに伝えた。その後、彼は来日できた。

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